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2017/05/08
CD のリッピング(パソコン取り込み)ソフトを Exact Audio Copy(EAC) に乗り替える ( Top Page

 CD のハイレゾ化(アップコンバート)に取り組んで約1年半,アップコンバート・ソフト Upconv のノイズリダクション(NR) 機能の有効活用によって 望外の高音質なハイレゾ化に成功し,その音色に囲まれた日々を送っている.しかし,最近,劣化した CD のハイレゾ化の際のさらなる音質向上にはリッピングも重要な要素であることに気がついた.

 その発端はショップから借りてきた CD の傷にあった.いつものように,iTunes でリッピングして WAV ファイルに変換し,96kHz/24bit WAV にハイレゾ化して聴いてみると酷いノイズ.元の CD 音質 WAV もノイズだらけ.したがって,この手のノイズは Upconv の NR 機能では取り除けないことが分かる.iTunes にも「オーディオCDの読み込み時にエラー訂正を使用する(U)」という機能があるが役に立っていない.ショップで CD を磨いてもらおうかとも思ったが,普段使っている音楽プレイヤー MediaMonkey のリッピング機能を試してみたら,「リップ方式:セキュア読み込み(要 長時間)」という機能があって,なんとそのノイズが消えたのだった.という訳で,劣化した昔の CD も多く扱う自分としては,リッピングも大事だということになった.

 調べていくと,PureRead という方式で ‘エラーが発生する CD でも“原音に忠実な”(記録データに忠実な)読み込みが行なえる’ と謳う(高額な) 光学ドライブ もある.今回は,評判を調べて,無料のリッピングソフト Exact Audio Copy(EAC) を使うことにした.以下,ダウンロードと設定方法.
1.EAC のインストールと日本語化の方法は こちらを注意深く参照.※ 現在のバージョンは eac-1.3.exe です.※「初期設定手順の2.「取り込み」のタブ・・・」(の赤枠部分)はこちらに変更する.※「17.好みのファイル名を選択し、・・・」は慣れたら変更可.
2.組み込みの 音楽 Data Base(DB) ではタグ(タイトル名,アーチスト名 等)が出てこない邦楽 CD があります.「iTunesにも利用されている商用データベース「Gracenote CDDB」からタグ付けをする方法」は 誠に重宝です
3.上級者用です.リッピングが完璧かを確かめる方法です.詳しい解説は こちらです が,微妙な問題があって,ここではお薦めできる結論だけ書きます:
a) 自分の使っている光学ドライブ(CD,DVD,Blue-ray レコーダー) の正式名称を調べ(→デバイスマネージャー),このサイト の対応する CD Drive 欄の Correction Offset 値から 30 を引いた数をメモする.
b)EAC を起動し,EAC(C)→ドライブオプション(D)→オフセット/速度 の順に開き,「読み込みサンプルオフセット訂正を使用する」にチェックを入れて メモした数を書き込む(私の場合は +637).※「AccurateRipを使用する」にチェックを入れない
c)オフセット/速度 の2つ右にある 書き込み では「書き込みサンプルオフセットの値」に +30 を書き込む
d)オフセット/速度 の右隣にある ギャップ検出 では「ギャップ/インデックス検出方法」では最も短時間の方法―たぶん 検出方法A―を選び,「検出精度」は安全(セキュア) を選択する
4.上記以外の細かな設定はこちらのサイトを参考のこと.※ 上記を変更しない.
5.WAV でリッピングします.先ず,CD を光学ドライブに入れます.次に EAC を立ち上げます(順序が逆だと,Win10 なら CD がパソコンから吐き出されます.→回避策)選択項目 から「CUETools DB Metadata Pulgin Vx.xx」を選んでクリック.現れた CUETools ボタンをクリックすると,CTDB Metadata Lookup 画面が現れて,挿入した CD に最も相応しいタグを選ぶよう促す.CD のケース/印刷面 を注意深く見て選択する.次に,アクション(A)→ギャップ検出(D)(または,ファンクションキー F4 )をクリックしてギャップが検出されるまで暫く待つ(終わると,ギャップ欄に時間が入る).WAV 画面をクリックすればリッピングが始まる.(リッピング先のフォルダーを聞いてきたら適切に選ぶ).
もし,EAC のタグ画面にタイトル名等が出てこないときは,iTunes のタグをコピペすると良い.iTunes でリッピングするふりをして,タグを表示します.iTunes の 編集→全て選択(A)→編集→コピー としておく.次に,EAC で データベース→CD情報を取得(G)→クリックボード(C) とすると,コピペ完了.ただし,余計な情報まで書き込まれるのでトラック毎に消去する.また,CDタイトル,CDアーティスト の欄等も手書きする.

 リッピング終了まで少し待つ.リッピング先のフォルダを開くと,log ファイルが入っている.それを開いて,最後に Accurately ripped と書いてあれば先ず誤りなくリッピングできたと思って良い.その前の(99/100)などの比は 100人中99人が同じ結果になったことを示す.最後に,リッピングされたフォルダを移動するなどして,整理する.

 EAC に乗り替えてまだ1週間程度なので,リッピングした CD 数が少なく,ハイレゾ化における効果は未知数である.ただし,劣化したかも知れない古い CD を試みてみた結果:ハイレゾ化は 2ch で行うが,アンプは 2ch → 5.1ch サラウンドに変換する.iTunes リッピングの場合と比べて,サラウンド変換がスムースになり,音の立体感が増したように感じた(※ 個人的感想である).

 追記(2017/06/03):持ち合わせている CD を EAC でかなりの量 リッピング→ハイレゾ化してみた.ノイズの影に隠れていた多くの音が姿を現したかのように感じる.しかも,各音が透き通った良い音で.ただし,より周波数が高い方の音が強くなるので,(高音部を強調したレコーディング/マスターリングをした)曲によっては耳障りになるかも知れない.調べてみると,こんな場合は,遙か昔にレコーディングした洋物が殆どで,Amazon で1曲 ¥150 でダウンロードできる mp3 のようなキンキン音とまではいかないが,気になる人もいるであろう.ディザレベル(DL)=0 を変更して,DL(2) 位にすれば良いのであろうが,せっかく現れた高音部の良い音をディザ(=一種のノイズ)で汚したくはない気もする.